HAQM Web Services ブログ

HAQM Connect アップデート まとめ – 2025年5月

こんにちは、HAQM Connect ソリューションアーキテクトの清水です。2025年4月のアップデートまとめはご覧いただけましたでしょうか。6月25日/26日には AWS Summit Japan 2025 が開催予定となっており、AWS Expo では HAQM Connect に関する出展を行います。SA 一同、皆様とお会いできることを楽しみにしています。
今月はアップデート 情報に加え、AWS Summit の HAQM Connect 関連セッションに関する情報をお届けします。皆様のお役に立つ内容があれば幸いです!

  1. 注目のアップデートについて
  2. AWS Summit Japan 2025 : HAQM Connect 関連セッション
  3. 2025年5月のアップデート一覧
  4. AWS Contact Center Blog のご紹介

1. 注目のアップデートについて

#1 HAQM Q in Connectのプロアクティブな推奨機能に6つの対応言語が追加  

顧客サービス向けの生成AI搭載アシスタントである HAQM Q in Connect の言語対応が拡大しました。エージェントは英語に加えて、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、中国語、日本語、韓国語での推奨事項を受け取ることが可能になりました。HAQM Qin Connect は、会話分析と自然言語理解 (NLU) を使用して、音声やチャットでのやり取りの中で顧客の意図を検出し、エージェントにリアルタイムでの生成型レスポンスと推奨アクションを提供することで、顧客の問題を迅速かつ正確に解決します。これまで英語のみで利用可能だったプロアクティブな推奨機能が、現在では全7言語で利用できるようになりました。

日本語の会話に対して推奨を出力するには、「回答の推奨」に設定しているエージェントのロケールが Japanese であることを確認した上で、日本語に対応したプロンプトを割り当てる必要があります。また、コールフローで「HAQM Q in Connect」ブロックを設定すること、エージェントに「HAQM Q Connect」を許可したセキュリティプロファイルを割り当てる必要があります。

2. AWS Summit Japan 2025 : HAQM Connect 関連セッション

AWS Summit Japan 2025 では、今年も HAQM Connect のお客様導入事例や、ユースケースを元にした最新機能のご紹介についてのセッションを行います。皆様のコンタクトセンター改革のヒントとなる情報をご提供いたしますので、是非ご参加ください。最新の情報、およびご登録については AWS Summit Japan ページをご覧下さい。

時刻 タイトル
6/25(水) 12:40~13:10 かんぽ生命のコンタクトセンターを AWS 技術で刷新。安定した WebRTC を追求し、フルクラウド化に挑戦
6/25(水) 13:50~14:30 HAQM Connect で実現するカスタマーセルフサービスの新しいカタチ
6/25(水) 14:50~15:30 コールセンターだけじゃない!エネルギー業界に学ぶ、HAQM Connect の活用パターン
6/26(金) 12:50~13:05 (ミニブースセッション)
カスタマーサービスの最前線、コンタクトセンターから学ぶ ウェルビーイングのための生成 AI の活用

3. 2025年5月のアップデート一覧

  • HAQM Q in Connectのプロアクティブな推奨機能が6つの言語に拡大 – 2025/05/29
  • AWS service changes – 2025/05/20
    • 各サービスの具体的なサポート終了日と移行パスをご確認ください。
  • HAQM Connect で Omnissa クラウドデスクトップのオーディオ最適化のサポートを開始 – 2025/05/09
    • HAQM Connect で、Omnissa 仮想デスクトップインフラストラクチャ (VDI) 環境での高品質の音声体験を簡単に提供できるようになりました。HAQM Connect は、エージェントのローカルデスクトップから Connect にメディアをリダイレクトし、エージェントエクスペリエンスを簡素化し、ネットワークホップを減らすことで音質を向上させることにより、音声を自動的に最適化します。エージェントは、Omnissa リモートデスクトップアプリケーション (Omnissa Horizon など) にログインするだけで、HAQM Connect オープンソース JavaScript ライブラリの API を使用して、カスタムエージェントのユーザーインターフェイス (カスタムの Contact Control Panel など) を使用して通話の受付を開始できます。
    • 関連リンク
  • HAQM Connect の外部音声の料金の変更 – 2025/05/08
    • HAQM Connect に、外部音声転送と外部音声システム付きコンタクトレンズの新しい料金モデルが追加されました。新しい料金モデルでは、外部音声コネクタと外部音声通話分に対して個別の料金が適用され、2025 年 5 月 1 日よりすべてのお客様に対して有効となります。
    • 外部音声転送では、HAQM Connect から別の音声システムに音声通話とメタデータが直接転送されるため、HAQM Connect テレフォニーと音声自動応答 (IVR) を使用してカスタマーエクスペリエンスを向上させることができます。現在、外部転送コネクタはそれぞれ月額 3,100 USD、外部音声転送は 1 分あたり 0.005 USD です。
    • 外部音声対応の Contact Lens では、既存の音声システムを使用して、HAQM Connect Contact Lens の通話記録、通話録音、リアルタイムおよび通話後の分析、エージェント評価を利用可能になり、顧客体験とエージェントのパフォーマンスの向上に役立ちます。現在、外部音声コネクタはそれぞれ月額 3,100 USD、外部音声通話分は 1 分あたり 0.012 USD です。Contact Lens の会話分析とパフォーマンス評価を利用する場合には、別途料金がかかります。
    •  関連リンク
  • HAQM Connect Contact Lens のリアルタイムダッシュボードが AWS GovCloud (米国西部) で利用可能に – 2025/05/05
    • HAQM Connect Contact Lens のリアルタイムのキューとエージェントのパフォーマンスダッシュボード、およびフローパフォーマンスダッシュボードが、政府および公共部門のお客様向けに設計された安全なクラウド環境である AWS GovCloud (米国西部) で利用できるようになりました。新しいダッシュボードでは、1 つのインターフェイスから数回クリックするだけで、エージェントのアクティビティをリアルタイムで監視し、お問い合わせのリッスン、お問い合わせへの割り込み (引き継ぎ)、エージェントの状態の変更などのアクションをすぐに実行できます。ダッシュボードでは、ウィジェットレベルのフィルターとグループを定義したり、列を並べ替えたりサイズを変更したり、新しいメトリクスを削除または追加したりできるようになりました。これらのダッシュボードを使用すると、カスタム定義の期間 (週ごとなど)、概要グラフ、時系列グラフなどを使用して、リアルタイムおよび履歴の集計パフォーマンス、傾向、インサイトを表示および比較できます。たとえば、エージェントがエラー状態の場合は自動的に赤色で強調表示し、ステータスを利用可能に戻すために追加の支援が必要なエージェントをすばやく視覚的に示すことができます。
    • 関連リンク
  • HAQM Connect for WhatsApp Business メッセージングと SMS が新しい AWS リージョンで利用可能に – 2025/05/05
    • HAQM Connect は WhatsApp Business メッセージングの提供範囲を、アジアパシフィック (東京)、アジアパシフィック (ソウル)、アジアパシフィック (シドニー)、カナダ (中部)、アフリカ (ケープタウン) の 5 つの新しい AWS リージョンに拡大しました。さらに、HAQM Connect SMS がアフリカ (ケープタウン) で利用できるようになりました。これらの拡大により、HAQM Connect の統合コンタクトセンター機能を活用してシームレスなオムニチャネル体験を提供しながら、好みのメッセージングチャネルを通じてお客様とやり取りできるようになります。今回のリリースにより、HAQM Connect for WhatsApp Business メッセージングおよび HAQM Connect SMS は、米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、アジアパシフィック (東京)、アジアパシフィック (ソウル)、アジアパシフィック (シンガポール)、アジアパシフィック (シドニー)、カナダ (中部)、欧州 (フランクフルト)、欧州 (ロンドン) およびアフリカ (ケープタウン) で利用可能です。
    • 関連リンク
  • HAQM Connect アウトバウンドキャンペーンでポーランドがサポートされるように – 2025/05/05
    • HAQM Connect は、欧州 (フランクフルト) および欧州 (ロンドン) リージョンでポーランドへのアウトバウンドキャンペーン通話をサポートするようになり、配達通知、マーケティングプロモーション、予約通知、債権回収などのユースケースで、音声、SMS、メールを使って簡単にプロアクティブにコミュニケーションできるようになりました。アウトバウンドキャンペーンは、顧客プロファイルからの統合された顧客データと、キャンペーン管理、ターゲティング、分析のための直感的な UI を使用して、リアルタイムのオーディエンスセグメンテーションを提供します。複雑な統合や AWS コンソールへの直接アクセスが不要になります。アウトバウンドキャンペーンは AWS Connect コンソール内で有効にできます。アウトバウンドキャンペーンにより、HAQM Connect は、単一のビジネスフレンドリーなアプリケーションで、音声チャネルとデジタルチャネルのインバウンドとアウトバウンドの両方のエンゲージメントをネイティブでシームレスにサポートする唯一の CCaaS プラットフォームになります。
    • 関連リンク
  • HAQM Connect、アウトバウンドキャンペーンに 5 つの新しいメトリクスとダッシュボードのドリルダウン機能を追加 – 2025/05/01
    • HAQM Connect アウトバウンドキャンペーンでは、受信者とキャンペーン実行に関するレポート機能が追加され、進捗状況の追跡やトラブルシューティングを行うための追加メトリクスが利用できるようになりました。これらの機能は Contact Lens ダッシュボードで利用でき、対象となる受信者の総数に対するアウトリーチ総数を追跡することで、キャンペーンのエンゲージメントを簡単にモニタリングできます。キャンペーンを詳しく掘り下げて、各キャンペーン実施時のパフォーマンスデータを調べることができます。例えば、1 か月間毎週キャンペーンを実施する場合は、各週のキャンペーンのパフォーマンスの詳細を表示できます。また、各キャンペーンの配信に関する問題を特定して解決することもできます。例えば、配信に関する 20 件の問題のうち、12 件は対象外のタイムゾーンが原因で、残りの 8 件は通信制限のしきい値に達したことが原因であるといった分析が行えます。リアルタイムのキャンペーンダッシュボードには、ターゲットにした受信者の数からリーチした数まで、キャンペーンの経過が表示されます。新しいメトリクスはすべて、カスタムレポートや他のデータソースとの統合のために、GetMetricDataV2 API および Zero-ETL データレイク からも利用できます。
    • 関連リンク
  • HAQM Connect Contact Lens が、新しいリアルタイム遵守ダッシュボードをリリース – 2025/05/01
    • HAQM Connect Contact Lens に、エージェント遵守メトリクスのフィルタリングと並べ替えをサポートする、事前設定済みのエージェント遵守ウィジェットが追加されました。このリリースにより、スーパーバイザーは日々の遵守管理をより効率的に行うことができます。また、遵守状況、期間、割合に基づいてフィルターを適用したり、期間または割合で並べ替えたり、キューおよびエージェントのパフォーマンスダッシュボードのエージェント遵守ウィジェットに条件付き書式を適用したりすることもできます。例えば、予定より 5 分以上遅れているエージェントを強調表示して、違反を迅速に特定し、それに応じてエージェントに通知することが可能になります。このウィジェットを使用することで、スーパーバイザーは遵守状況のモニタリングプロセスを簡素化し、生産性を向上させ、遵守に関する問題への対応時間を短縮することができます。
    • 関連リンク

4. AWS Contact Center Blog のご紹介

  • HAQM Connect, HAQM Lex, HAQM Bedrock Knowledge Bases を活用してコンタクトセンターに音声とチャットの生成 AI エージェントをデプロイする (日本語記事)
    • DoorDash は、Dasher として知られる契約配達員からの大量の電話対応で大きな課題に直面していました。2023 年末時点で 3,700 万人以上のアクティブな消費者と月間 200 万人のアクティブな Dasher を抱える同社は、 効率的なセルフサービス体験を提供することでエージェントの負担を軽減する必要がありました。この課題に対処するため、DoorDash のコンタクトセンターチームは、高水準の問題解決と顧客満足度を維持しながら、迅速かつ大規模に解決策を提供するために生成 AI の力を活用したいと考えました。DoorDash は AWS Generative AI Innovation Center と協力してわずか 2 か月で、Dasher に低遅延のセルフサービス音声体験を提供するソリューションを構築しました。このソリューションは 1 日数十万件の電話に対応し、2.5 秒以内に Dasher の質問に回答しています。また、自動テスト、会話分析、監視と可観測性、LLM ハルシネーションの防止と検出を含む運用機能も提供しています。この記事では、AWS サービスを使用してコンタクトセンターに生成 AI エージェントをデプロイする方法を紹介します。
  • Customer contact week 2025: Transform your contact center with AI-powered innovation (英語記事)
    • AWS は 2025年6月9日から12日にラスベガスで開催される Customer Contact Week (CCW) のスポンサーとして参加します。このイベントでは、生成 AI とインテリジェント自動化による顧客体験の変革に焦点が当てられ、AWS は HAQM Connect を活用した顧客対応の革新的な取り組みを紹介する予定です。6月10日には富士通の事例を交えた AI 搭載カスタマーエクスペリエンスの実践的なワークショップを開催し、6月11日のメインステージでは、コスト予測可能性を維持しながらカスタマージャーニー全体で AI を最大限活用する方法についてのパネルディスカッションが行われます。また、6月11日から12日にかけて開催されるパビリオンセッションでは、ユナイテッド航空によるデータ統合事例や TELUS のデジタル変革成功事例など、実際の導入事例を中心とした講演が予定されています。本イベントを通じて、AI と分析技術を活用したコンタクトセンターの最適化、オムニチャネルでのカスタマーエクスペリエンス向上など、顧客対応の未来像を描くための具体的な知見を得ることができます。
  • Unlocking the full potential of HAQM Connect (英語記事)
    • 現代の消費者は高い期待を持っており、あなたの顧客も例外ではありません。すべての企業が、サービスを改善し、コストを削減し、戦略的な成長を支援できる最新の技術革新で先を行こうとしています。HAQM Connect はこうしたソリューションの1つで、AWS のテクノロジーと AI の力を活用した、現代的でスケーラブルなソリューションです。しかし、導入プロセスを適切に実施しないと、期待される投資効果を十分に得られない可能性があります。この記事では、的を絞ったチェンジマネジメントの実践が投資を保護するだけでなく、さらなる効果を生み出せる分野について詳しく見ていきます。具体的には、注意すべきリスク、真の違いを生み出すことができる指標、そして限られた時間とリソースを最も効果的な変革に活用する方法について説明します。
  • Proven migration patterns for accelerating HAQM Connect deployments (英語記事)
    • 企業のコンタクトセンターは、個別の IT チームと運用チームを持つ複数の事業部門 (LOB) のサポートに苦心しています。ビジネスプロセスアウトソーシング (BPO) 企業は、独自の要件を持つ何百もの顧客を管理することで、この複雑さをさらに増大させています。コンタクトセンターの移行パターンは、これらの課題に対応し、展開を加速し、運用を簡素化します。この記事では、中規模から大規模なコンタクトセンター移行の確固たる基盤を作る、実証済みの5つのパターンについて説明します。これらのパターンの実装には初期投資が必要ですが、全体的な移行タイムラインを加速することができます。
  • Wisconsin DOR cuts contact center costs by 66% and boosts performance with ScaleCapacity and HAQM Connect (英語記事)
    • ウィスコンシン州歳入局 (DOR) は、州の所得税・事業税法の管理、固定資産税評価の監督、アルコールとタバコの販売規制、納税者の本人確認、州宝くじの運営、地方自治体への税収分配を行っています。約500人のエージェントが年間70万件の電話に対応するコンタクトセンターは、複数の異なるテクノロジーに依存しており、頻繁な停止、非効率なワークフロー、時間のかかる文書作成、最新機能の不足などの問題を抱え、顧客体験に悪影響を及ぼしていました。シンプルで現代的、かつスケーラブルなソリューションを求め、ウィスコンシン州 DOR は AWS パートナーScaleCapacity と提携し、コンタクトセンターを HAQM Web Services に移行しました。わずか4ヶ月で移行を完了し、テクノロジーコストを66%削減、システム停止をなくし、顧客サービス部門での待ち時間を60%削減しました。
  • Priceline leverages generative AI in HAQM Connect to streamline the customer experience (英語記事)
    • Priceline は、革新的なサービスと価格交渉を組み合わせ、航空券、ホテル、レンタカー、クルーズの最高級の取引を顧客に提供するオンライン旅行業界のリーダーです。オンライン旅行代理店として、Priceline は世界中の信頼できる旅行サプライヤーの広大なネットワークと協力し、顧客に幅広い商品を提供しています。実際、Priceline は世界116カ国以上で120万以上の宿泊施設を提供しています。Priceline は HAQM Connect を活用した顧客体験の近代化の取り組みによる利点について、広く共有してきました。これらの取り組みは、パンデミック期間中の急激な通話量の増加に端を発し、その対応のために最新のクラウドベースのコンタクトセンターが必要となりました。その後も Priceline は顧客ニーズの変化に適応し続け、AWS を活用してこれらの機能をさらに発展させています。

今月のお知らせは以上です。皆さんのコンタクトセンター改革のヒントになりそうな内容はありましたでしょうか?ぜひ、実際にお試しいただき、フィードバックをお聞かせ頂けますと幸いです。
AWS Summit Japan 2025 にもぜひご登録の上、ご来場ください。会場でお待ちしています!

シニア HAQM Connect ソリューションアーキテクト 清水 幸典