HAQM Web Services ブログ

Kubernetes バージョンに対する HAQM EKS の延長サポートの料金

この記事は HAQM EKS extended support for Kubernetes versions pricing (記事公開日: 2024 年 1 月 16 日) を翻訳したものです。

2024 年 4 月 1 日以降、Kubernetes バージョン 1.21 と 1.22 も延長サポートの対象となっています。詳細については、こちらのアナウンスをご覧ください。

Introduction

2023 年 10 月 4 日、HAQM Elastic Kubernetes Service (HAQM EKS) は、Kubernetes バージョンに対する延長サポートのパブリックプレビューを発表しました。これは Kubernetes のマイナーバージョンのサポート期間を 12 ヶ月延長します。そして本日、延長サポートの料金設定を発表します。延長サポート期間中の Kubernetes バージョンを実行している HAQM EKS クラスターは、クラスターあたり 0.60 USD / 1 hour の料金が発生します。この料金は 2024 年 4 月の請求サイクル (2024 年 4 月 1 日開始) から適用されます。標準サポート期間中の Kubernetes バージョンを実行しているクラスター料金の変更ありません。引き続き、クラスターあたり 0.10 USD / 1 hourの料金が適用されます。

この価格設定には、Kubernetes のコントロールプレーンを実行するためのコストが含まれています。別途、Kubernetes のワーカーノードを実行したり、その他のクラスター機能をサポートするために作成する AWS リソース (HAQM Elastic Compute Cloud [HAQM EC2] インスタンス、AWS Fargate、HAQM Elastic Block Store [HAQM EBS] ボリューム、AWS Outposts キャパシティなど) の料金も発生します。使用した分だけ支払う方式で、最低料金はなく、前払いのコミットメントもありません。

HAQM EKS では、Kubernetes バージョン 1.23 以降のバージョンに対して延長サポートが利用できます。各バージョンの標準サポート期間と拡張サポート期間は、HAQM EKS のリリースカレンダーを参照してください。

Kubernetes バージョンに対する HAQM EKS の延長サポートとは何ですか?

HAQM EKS の延長サポートは、Kubernetes のマイナーバージョンが HAQM EKS で利用開始になった時点から最大 26 ヶ月間のサポートを提供します。HAQM EKS の延長サポート期間中のバージョンは、HAQM EKS が管理する Kubernetes コントロールプレーンの継続的なセキュリティパッチを受け取ります。さらに、HAQM EKS は HAQM VPC CNI、kube-proxy、CoreDNS アドオン、AWS が提供する HAQM EKS 最適化 HAQM Linux AMI、Bottlerocket、HAQM EKS 最適化 Windows AMI、HAQM EKS Fargate ノードの重要なパッチをリリースします。 (注: AWS が提供する HAQM EKS 最適化 Windows AMI のサポートは、Kubernetesバージョン 1.24 以降で利用できます)。 AWS は、標準サポートまたは延長サポート両方で提供されるすべての HAQM EKS バージョンを完全なテクニカルサポートでバックアップします。Kubernetes バージョンの延長サポートは、HAQM EKS が利用できるすべての AWS リージョン (GovCloud (US) リージョン含む) で利用できます。

HAQM EKS バージョンはいつ標準サポートまたは延長サポートの対象になりますか?

標準サポートは Kuberenetes バージョンが HAQM EKS で利用可能になった時点から開始され、アップストリームの Kubernetes のマイナーバージョンサポート期間と同様に 14 ヶ月間継続します。HAQM EKS の延長サポートは、標準サポートが終了した直後から開始され、12 ヶ月間継続します。Kubernetes のバージョン 1.23 以降は、HAQM EKS の延長サポートの対象となります。

延長サポートにはどれくらいの費用がかかりますか?

HAQM EKS クラスターの実行コストはコントロールプレーンの Kubernetes マイナーバージョンに基づいています。HAQM EKS クラスターで標準サポートの Kubernetes バージョンを実行している場合、クラスターあたり 0.10 USD / 1 hour の料金をお支払いいただきます。HAQM EKS クラスターで延長サポートの Kubernetes バージョンを実行している場合、クラスターあたり 0.60 USD / 1 hour の料金 をお支払いいただきます。

延長サポートの仕組みをわかりやすく説明するシナリオをいくつか紹介します

  • HAQM EKS クラスターが大量にあり、それらが異なる Kubernetes バージョンが実行されている場合、標準サポートのバージョンを実行しているクラスターにはクラスターあたり 0.10 USD / 1 hour が請求され、延長サポートのバージョンを実行しているクラスターには、クラスターあたり 0.60 USD / 1 hour が請求されます。
  • 延長サポート対象の Kubernetes バージョンを使用して新しい HAQM EKS クラスターを作成する場合、0.60 USD / 1 hour を支払うことになります。
  • 延長サポートの Kubernetes バージョンを使用して HAQM EKS クラスターを実行していて、そのクラスターのコントロールプレーンを標準サポートの Kubernetes バージョンにアップグレードする場合、アップグレード前にクラスターが延長サポートバージョンを実行していた時間に対して 0.60 USD / 1 hour 、アップグレード後は 0.10 USD / 1 hour を支払うことになります。

標準サポート期間と延長サポート期間での HAQM EKS の請求を説明する例をいくつか示します。

例 1: HAQM EKS が Kubernetes の新しいバージョンをリリースしたその日に、そのバージョンの HAQM EKS クラスターを作成し、コントロールプレーンのバージョンをアップグレードせずにそのクラスターを 26 か月間実行するとします。バージョンが標準サポートの対象となる最初の 14 か月間は、 0.10 USD / 1 hour を支払うことになります。14 か月後、Kubernetes バージョンは延長サポートに移行します。これで、残りの 12 か月間は 0.60 USD / 1 hour を支払うことになります。26 か月間のこのクラスターの実行には、平均して 0.33 USD / 1 hour を支払うことになります。

サポートタイプ 利用期間 (月) 料金 (クラスター 1 hour あたり)
標準サポート 14 0.10 USD
延長サポート 12 0.60 USD
26 か月間のサポートの平均費用 0.33 USD 

例 2: 標準サポート期間を 4 ヶ月経過した Kubernetes のバージョン (つまり、そのバージョンの標準サポート期間が残り 10 ヶ月) で HAQM EKS クラスターを作成したとします。このバージョンの標準サポートが終了し、次の標準サポートの対象となる次のバージョンにアップグレードする前に、6 か月間の延長サポートを利用することにしました。このクラスターを実行した 16 か月間は、最初の 10 か月は 0.10 USD / 1 hour、残りの 6 か月は 0.60 USD / 1 hour を支払います。このクラスターを 16 か月間実行するには、平均して 0.29 USD / 1 hour を支払うことになります。(注: クラスターを標準サポートの Kubernetes バージョンにアップグレードすると、請求額はクラスターあたり 0.10 USD / 1 hour に戻ります)。

サポートタイプ 利用期間 (月) 料金 (クラスター 1 hour あたり)
標準サポート 10 0.10 USD
延長サポート 6 0.60 USD
16 か月間のサポートの平均費用 0.29 USD 

例 3: 新しいバージョンをすぐに採用し、HAQM EKS クラスターの定期的なアップグレードサイクルに従うことで、14 か月の標準サポート期間を超えて Kubernetes バージョンを使用しないとします。この場合、現在の HAQM EKS の請求に変更はありません。クラスターには引き続き 0.10 USD / 1 hour をお支払いいただきます。

サポートタイプ 利用期間 (月) 料金 (クラスター 1 hour あたり)
標準サポート 14 0.10 USD
延長サポート 0 0.60 USD
14 か月間のサポートの平均費用 0.10 USD 

次の表と図は、HAQM EKS で現在利用可能な Kubernetes バージョンのサポート終了日と料金をまとめたものです。

サポートタイプ 期間 料金 (クラスター 1 hour あたり)
標準サポート HAQM EKS で Kubernetes バージョンが利用可能になった日から 14 か月間 0.10 USD
延長サポート HAQM EKS の標準サポート終了日から 12 か月間 0.60 USD

Kubernetes version 標準サポートの期間 延長サポートの期間
1.23 2022 年 8 月 – 2023 年 10 月 2023 年 10 月 – 2024 年 10 月
1.24 2022 年 11 月 – 2024 年 1 月 2024 年 1 月 – 2025 年 1 月
1.25 2023 年 2 月 – 2024 年 5 月 2024 年 5 月 – 2025 年 5 月
1.26 2023 年 4 月 – 2024 年 6 月 2024 年 6 月 – 2025 年 6 月
1.27 2023 年 5 月 – 2024 年 7 月 2024 年 7 月 – 2025 年 7 月
1.28 2023 年 9 月 – 2024 年 11 月 2024 年 11 月 – 2025 年 11 月

* 正確な日付については、HAQM EKS Kubernetes リリースカレンダーを参照してください。このカレンダーは定期的に更新されるので、正確かつ最終的なバージョンサポート日を知るには信頼できる情報源と考えてください。

Next Steps

Kubernetes バージョンの延長サポートは、現在 HAQM EKS のすべてのお客様にプレビュー版として追加費用なしでご利用いただけます。2024 年 4 月の請求サイクル (2024 年 4 月 1 日から) から、延長サポート対象の Kubernetes バージョンで実行されている HAQM EKS クラスターには、クラスターあたり 0.60 USD / 1 hour が課金されます。クラスターはいつでも標準サポートのバージョンにアップグレードできることを忘れないでください。標準サポートの料金に変更はなく、クラスターあたり 0.10 USD / 1 hour のままです。HAQM EKS リリースカレンダーを使用して、バージョンサポートの最新の日付を確認してください。

翻訳はソリューションアーキテクトの加治が担当しました。原文はこちらです。