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“それ AI エージェントがやります” : AWS Summit Japan 2025 で AI エージェントのハッカソンを開催する背景

今年の AWS Summit は 6/25 ・6/26 に開催されます。そこで AI エージェントのハッカソン『AWS Summit Japan 2025 生成 AI ハッカソン』も開催され、テーマは「 使いたおして「〇〇」を実現する AI エージェント爆誕祭」となります。本ハッカソンのエントリー締め切りは 5/13 で、審査員及びナビゲーターとして昨年の AWS Summit、さらに 2024 年 10 月に開催した AWS AI Day ハッカソンでもご協力いただいた QuizKnock 様にご協力いただきます。

AWS AI Day で「生成 AI で仕事を楽に、楽しく」をテーマに実施したハッカソンは、参加者からも発表を聞いた方々からも、さらにその後の動画公開でも再生回数 40 万以上の大きな反響があり、今回のハッカソン開催につながっています。

AWS AI Day (2024 年 10 月 31 日開催) でのハッカソン決勝戦の様子

AWS Summit の会場、幕張メッセに挑みたい方は下記の応募ページよりお申し込みください。注目の入賞賞品の情報も掲載されています。

「AWS Summit Japan 生成 AI ハッカソン」参加のご応募はこちら

本記事では一風変わった「 使いたおして「〇〇」を実現する AI エージェント爆誕祭」というテーマに行きついた背景をお伝えします。応募に当たり「○○」の中を考えて頂くので参加を検討いただいている方もお読みいただければ幸いです。

生成 AI がもたらす仕事や生活への変化

生成 AI は私達の仕事に欠かせないものになりつつあります (こうしたブログも生成 AI で下書きすることが多くなっていると思います。ちなみに今回は生成 AI を使わず書いています)。IPA の DX 動向 2024 では従業員 1,000 名超の企業では生成 AI の活用を検討中以上のステータスが 87.2% に登り、AWS でも 100 を超える定量的効果が実証された事例が生まれました。中小企業での活用普及にまだ課題はあるものの、仕事で使う機会は全体として増加していると見ています。さらに近年、AI エージェントの活用が注目されています。エージェントは生成 AI の高いタスク分解・行動決定能力 (ReAct) を活かして、タスクを自律的に完了させる用途です。近年の生成 AI は「テトリスみたいなゲームを作って」という単純な指示 (タスク) であっても完了させる能力があります。

Anthropic Claude 3.7 に「テトリスみたいなゲームをブラウザで遊べるように作成してください」と指示して作成したゲーム。実際に操作ができる。

エージェントがこなせるタスクの複雑さは、扱える行動に依存します。プログラムを書く、実行する、ナレッジベースにアクセスする、といったことが行動です。行動の幅は日々増えており、Computer use による画面操作、Model Context Protocol による統一的なインターフェースでの機能接続などによりその加速度は上がっています。

私たちは、こうした AI エージェントの進化が期待感だけでなく不安を呼んでいることを理解しています。登場当初は「アシスタント」として助手席に座っていた AI は、特に Cline の登場をきっかけにだんだんと運転席へと移ってきています。2024 年は AI をどう活用するか、が主要な問いでしたが 2025 年は人は何をすべきか? が問われていると感じます。コミュニティの勉強会に参加すると、これからもエンジニアを続けるとき何を仕事にするべきなのか議論が尽きません。AI エージェントの技術が、エンジニアから一般の業務ユーザーへ広がるにつれて「AI に仕事が奪われるのではないか」という議論の切迫感と規模は今までよりも高まると考えています。

AWS のミッションは「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」であり、お客様の期待に応えるのはもちろん不安を解消する発明が必要と考えています。今回のハッカソンは、その発明に向けた第一歩です。

私達の目指していることは何か

今回のハッカソンのテーマは「 使いたおして「〇〇」を実現する AI エージェント爆誕祭」であり、「○○」には任意の目的が入ります。私達の中で議論した時、次のような「○○」が上がりました。

  • 今まで以上に子供と遊ぶ
  • 大学で専門分野を学び直す
  • プログラミング言語を作る
  • OS を作る
  • ハードウェアを設計する
  • より多角的な分析を行う

驚いたのは、「○○」にはこれまでできなかったチャレンジが多く含まれたことです。AI Agent を限界まで「使い倒す」ことで、それでも残る「○○」はより私達の目的を明確にします。これは、私たちがお客様が最も大切にしていることを知るための小さな発明となりました。今回の審査のポイントには、「 AI エージェントにより ○○ が実現できるか」「 AI エージェントが使いたおされることで○○が持続的に実現されるか」が含まれます。この評価観点は、人が実現したかったことを実現し続けるために AI エージェントが一度限りではなく継続的にタスクを完了し人間の目的達成を支援しているかを評価しています。

ぜひハッカソンにご参加ください!5月1日にはQuizKnockが登場する応援企画も開催
今回のハッカソンを通じ、AI エージェント時代のより充実した仕事・生活がどのようなものか解明されることを楽しみにしています。AWS はイベント運営はもちろんユースケースの発掘、技術支援を通じ皆さんの「○○」の実現を全力でサポートします。本ハッカソンではデプロイ済みのアプリケーションプログラムが提出物で、アプリケーション開発は苦手という方もいるかもしれません。しかし、生成 AI の支援を受けることで誰もが「動くもの」を作れる Builder になれることを私たちは知っています。参加を検討される方に向けて、様々なトレーニング資料、事前構築済みアセット、セミナー等の学びの機会を設ける予定です。まず、5月1日にはQuizKnock 伊沢拓司 氏、鶴崎修功 氏が登場する「ユースケース開発ワークショップ」をオンラインで開催します。応募に必要となるユースケースをここで伊沢氏、鶴崎氏と一緒に考えてみるのはいかがでしょう。詳しい情報は下記のハッカソンの参加応募ページに掲載しています。ぜにチェックしてみてください。ハッカソン募集ページに記載していますので、ぜひチェックいただければ幸いです。

ではあらためて、ハッカソンへの応募をお待ちしております!

「AWS Summit Japan 生成 AI ハッカソン」参加のご応募はこちら

執筆者プロフィール

久保 隆宏 (Takahiro Kubo) は AWS Japan の機械学習領域のデベロッパーリレーションを担当しており、「機械学習をするなら AWS 」と感じて頂くべくコンテンツの作成とフィードバックの収集による AWS サービスの改善を行っています。