HAQM Web Services ブログ
週刊AWS – 2021/11/22週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
今週はついにAWS re:Inventが開催になりますね!どういった発表が行われるのか楽しみですが、その前に、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。盛りだくさんの発表で、いつもよりボリュームが多めになっています。
2021年11月22日週の主要なアップデート
- 11/22(月)
- HAQM EC2 R6i インスタンスのご紹介
HAQM EC2 R6i インスタンスが一般提供開始(GA)になりました。メモリの利用量が多いワークロード向けのインスタンスで、第3世代インテル Xeon スケーラブルプロセッサ (Ice Lake) を搭載し、R5と比較して最大15%優れたコンピューティングのコストパフォーマンスと、インテルの Total Memory Encryption (TME) を使用した常時オンのメモリ暗号化を提供します。最大で128vCPUと1,024GiBメモリが選択可能です。またすでにSAP 認定済みです。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - 2 種類の新しい HAQM EC2 ベアメタルインスタンスのご紹介
HAQM EC2 M6iおよびC6iでベアメタルインスタンスが利用可能になりました。東京リージョンではM6iインスタンスが利用可能です。 - HAQM Neptune 向けに AWS Graviton2 ベースのインスタンスを発表
グラフデータベースサービスのHAQM NeptuneでAWS Graviton2プロセッサを搭載したT4gおよびR6gデータベースインスタンスが利用可能になりました。Graviton2は64 ビットArm Neoverseコアを使用してAWSがカスタムビルドしたプロセッサで、高いコスト性能比を実現します。 - HAQM Redshift Concurrency Scaling による書き込みクエリのプレビューを発表
HAQM RedshiftのConcurrency Scalingで読み取りクエリだけでなく、書き込みクエリもスケーリングできるようになりました。発表に「プレビュー」とありますが、これは利用できるリージョンが限定されているためです。現在東京リージョンでは利用可能になっています。 - HAQM Linux 2022 のプレビューの発表
HAQM Linux 2022 (AL2022) のパブリックプレビューが発表されました。これはHAQM Linux 2の後継となる無料で利用可能なLinuxディストリビューションです。合わせて今後のサポートポリシーも発表になっています。AL2022以降、新しいHAQM Linuxメジャーバージョンは2年ごとにリリースされ、各メジャーバージョンは5年間サポートされます。 - HAQM EC2 Mac インスタンスが macOS Monterey のサポートを開始
HAQM EC2 Macインスタンスで macOS Monterey (12.0.1) をAMIとして選択できるようになりました。同時にOSリブート無しでEBSをアタッチ・デタッチできる改善も発表されています。 - HAQM MemoryDB for Redis が、AWS Graviton2 ベースの T4g インスタンスと 2 か月間の無料トライアルのサポートを開始
HAQM MemoryDB for RedisがAWS Graviton2ベースのT4gインスタンスのサポートを開始しました。同時に2か月間の無料トライアル枠が追加されており、2か月間、毎月750時間のT4g.smallインスタンスを無料で利用できるようになりました。同時にHAQM ElastiCacheでもT4gサポートが発表されており、フルマネージドデータベースサービスでGraviton2プロセッサを利用できる範囲が広がりつつあります。
- HAQM EC2 R6i インスタンスのご紹介
- 11/23(火)
- AWS Graviton2 Processors を搭載した AWS Fargate for HAQM ECS を発表
AWS Graviton2プロセッサを搭載したAWS Fargate for HAQM Elastic Container Service (HAQM ECS) が一般提供開始(GA)になりました。東京・大阪、両リージョンで利用可能になっています。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - HAQM ElastiCache for Redis のデータ階層化を発表
HAQM ElastiCache for Redisでデータ階層化が利用可能になりました。これはアクセス頻度の低いデータをメモリからNVMe SSDに移すことでより多くのデータを保持できるようにするものです。メモリとSSD間のデータ移動は透過的に行われます。利用にはR6gdノードでRedisバージョン 6.2 以上を使用する必要があります。 - Application Load Balancer とネットワークロードバランサーのエンドツーエンドの IPv6 サポート
ELBのApplication Load Balancerと、Network Load BalancerでIPv6によるエンドツーエンドの接続がサポートされました。インターネットに面するロードバランサーだけでなく、VPC内部のロードバランサーとしてもエンドツーエンドでIPv6が利用可能になっています。 - HAQM Virtual Private Cloud (VPC) のお客様は、IPv6 のみのサブネットと EC2 インスタンスの作成が可能に
HAQM Virtual Private Cloud (VPC) のデュアルスタックVPC内でIPv6のみのサブネットを作成できるようになりました。IPv6のみのサブネットではNitroベースのEC2インスタンスのみを起動できます。 - 読み取り容量が増大、書き込みレイテンシーが低減し整合性が向上、フェイルオーバー時間が短縮した HAQM RDS for PostgreSQL および MyQSL の新しいマルチ AZ 配置オプション (プレビュー)
MySQLおよびPostgreSQL用のHAQM RDSで、新しいマルチAZ配置機能がプレビューで公開されました。これは1つのプライマリデータベースインスタンスに2つの読み取り可能なスタンバイデータベースインスタンスを配置した構成です。これまでのRDSマルチAZ配置と違い、スタンバイのインスタンスが読み取りクエリが実行可能である点が大きな特徴です。プライマリの障害自にはスタンバイがプライマリを引継ぎます。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - HAQM Redshift クロスリージョンデータ共有のお知らせ (プレビュー)
HAQM Redshiftの第三世代インスタンス(RA3)で利用可能なデータシェアリング(共有)機能が、リージョンをまたいだインスタンス間でも共有可能になる機能のプレビューが開始になりました。 - AWS Systems Manager Fleet Manager が、セキュリティプロトコルが向上した Windows インスタンスへのコンソールベースのアクセスの提供を開始
AWS Systems Manager Fleet Manager経由でWindowsインスタンスのコンソール(GUI)にログインできるようになりました。WindowsインスタンスのRDPポートを外部に公開することなくリモートログイン(RDP接続)が可能になります。合わせてAWS SSOによるワンクリックログインのサポートも発表されています。これによりAWS SSO、もしくはAWS SSOがサポートするIdPであるOkta、Ping、OneLoginからワンクリックでWindowsのGUIにログインが可能になります。
- AWS Graviton2 Processors を搭載した AWS Fargate for HAQM ECS を発表
- 11/24(水)
- Elastic Beanstalk supports AWS Graviton-based HAQM EC2 instance types
Elastic BeanstalkでAWS GravitonベースのEC2インスタンスを指定可能になりました。 - HAQM QuickSight で、データセットのバージョニングの提供開始
HAQM QuickSightでデータセットのバージョニングがサポートされるようになりました。データセットの変更履歴を確認したり、必要に応じて過去のバージョンに戻したりすることができます。合わせて、より簡単にダッシュボードを別アプリに埋め込める1-click enterprise embedding等、多くの新機能がQuickSightに追加されていますので、こちらのドキュメントも参照してください。 - AWS Proton で、Infrastructure as Code テンプレートの Git 管理を導入
AWS Protonはコンテナおよびサーバーレスのためのフルマネージド型アプリケーションデプロイサービスです。今回gitレポジトリとの連携が可能になりました。開発者がgitレポジトリにCloudFormationテンプレートをコミットすると、自動的に同期され新しいProtonテンプレートが作成されます。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Announcing new performance enhancements for HAQM Redshift data sharing
HAQM Redshift データシェアリングで、性能向上のための機能追加が発表されました。データシェアリングのデータについてもリザルトキャッシュが有効になり、またコンカレンシースケーリングも利用できるようになったので、より高い性能要件に対応できるようになりました。 - The HAQM Chime SDK now offers enhanced echo reduction
HAQM Chime SDKは、独自アプリケーションに音声・ビデオ会議の機能を提供するためのSDKです。今回音声通話部分に機会学習ベースのエコー削減機能が追加されました。 - HAQM Managed Grafana adds support for HAQM Athena and HAQM Redshift data sources and Geomap visualization
HAQM Managed Grafanaはフルマネージドでセキュアなデータ可視化サービスです。 今回新しいデータソースプラグインとしてHAQM AthenaとHAQM Redshiftがサポートされました。HAQM Managed Service for GrafanaについてはGA時のこちらのブログをご覧ください。 - AWS WAF adds support for Captcha
AWS WAFにAWS WAF CAPTCHAが追加されました。これはCAPTCHA(人間がアクセスしている事を示すためのテスト)を組み込むことで、BOTからのトラフィックを防ぐ事を可能にするものです。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。 - AWS launches NAT64 and DNS64 capabilities to enable communication between IPv6 and IPv4 services
HAQM VPC内のIPv6リソース(EC2等)からNAT64(AWS NAT Gatewayにて)とDNS64(HAQM Route 53 Resolverにて)が利用可能になりました。これによりIPv6リソースからIPv4サービスへの通信の疎通が容易になります。現時点で利用可能なリージョンはUS East (N. Virginia)、 US West (Oregon)、US West (N. California)です。 - AWS Database Migration Service で、ソースとして Google Cloud SQL for MySQL のサポート開始
AWS Database Migration Service (AWS DMS) で、データソースにGoogle Cloud SQL for MySQLのサポートが追加されました。同時にAzure SQL Managed Instanceもソースとしてサポート追加が発表されています。
- Elastic Beanstalk supports AWS Graviton-based HAQM EC2 instance types
- 11/25(木)
- (この日は米国サンクスギビングデーのため、新発表はありませんでした)
- 11/26(金)
- AWS Lambda now supports event filtering for HAQM SQS, HAQM DynamoDB, and HAQM Kinesis as event sources
AWS LambdaでSQS、DynamoDB、Kinesisをイベントソースにした際にイベントフィルタリングが設定できるようになりました。 条件を指定しておくことで、その条件にマッチした場合のみLambdaが起動させるようになります。これにより、関数内で条件を確認する処理を記述する必要がなくなる上に、Lambdaのコスト削減にもつながります。 - AWS price reduction for data transfers out to the internet
AWS内からインターネットへの通信料金について、無料で利用できる範囲が拡大される事が発表されました。リージョンからインターネットへのデータ転送は、1か月あたり最大100GBが無料になりました(以前は1GBでした)。HAQM CloudFront (CDNサービス)からのデータ転送は、1か月あたり最大1TBまで無料になりました。こちらは以前は50GB/月で、かつサインアップ後12か月間のみでしたが、今後は期間の制限なく無料枠をご利用いただけます。これらの変更は2021年12月から適用されます。詳細はこちらのブログをご覧ください。
- AWS Lambda now supports event filtering for HAQM SQS, HAQM DynamoDB, and HAQM Kinesis as event sources
今回は本当に発表が多かったですが、特にVPCのIPv6周りの機能追加と、AWS Graviton2プロセッサへの対応が多かったように思います。VPCでのデュアルスタックIPv6アーキテクチャについては、こちらに詳細な日本語解説ブログが出ていますので、ご興味がある方はご確認ください。
来週はre:Inventでの新発表を中心にお届けする予定です。前号でもご案内しましたが、re:Inventの新発表をぎゅっと1時間にまとめてご案内するウェビナー、「AWS re:Invent 2021 速報」が12月3日(金)18時に開催されますので、こちらもぜひご視聴ください。
– AWS Black Belt Online Seminar AWS re:Invent 2021 速報
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)