HAQM Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/3/24週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。
4 月 3 日 (木) 14:00-16:00 に、流通小売/消費財/EC 企業向けのオンラインセミナーを開催します。リテールテック JAPAN は、開催 41 回目を迎える国内最大の流通業向け情報システム総合展示会(日本経済新聞社主催)です。こちらの展示会に AWS が 8 年ぶりに出展しました。オンラインセミナーでは、AWS ブースの展示テーマ、展示デモのバーチャル・ブースツアー、ミニシアターで行われたライトニングトークなど改めてご紹介します。ご登録の上、ぜひご視聴ください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年3月24日週の主要なアップデート
- 3/24(月)
- HAQM Q in QuickSight のシナリオ機能が一般提供開始
HAQM Q in QuickSight のシナリオ機能が一般提供開始になりました。アシスタント生成 AI が搭載されたシナリオ機能では、自然言語でビジネス上の課題などを与えることで、それに対するデータ活用やインサイトなどを得ることが出来ます。例えば「売上を上げるための施策はどういったことが考えられますか?」といった抽象的なテキストを投げると、QuickSight で作成したダッシュボードを基に、地域別、製品カテゴリ別、ディスカウントの傾向分析などをアシスタント生成 AI が自動的に行ってくれ、インサイトを出してくれます。100 % 正しいものではないですが、気が付かなかったインサイトを発見することができ、その後のアクションのきっかけにしていただけると思います。手元で触った範囲ですが、「日本語で出力してください」とテキストで依頼すると、日本語で出力することを確認できました。リージョンは、バージニア北部、オレゴン、フランクフルト、アイルランドで利用可能です。 - AWS Elemental MediaConnect が NDI® 出力のサポートを追加
AWS Elemental MediaConnect で、NDI® (Network Device Interface) の出力をサポートしました。NDI は高品質かつ低遅延のビデオ接続技術であり、ライブプロダクションアプリケーションで広く使用され、500 以上のハードウェア製品と 300 以上のソフトウェアアプリケーションでサポートされています。カメラなどのオンプレミスソースをクラウドでのライブプロダクションに接続するプロセスが、従量課金制の価格モデルを使用することで、より簡単に展開できます。 - AWS DMS Schema Conversion が IBM Db2 for z/OS から HAQM RDS for Db2 の変換をサポート
AWS DMS Schema Converison は、データベースの移行を行う際に、移行元のデータベースを自動的に評価し、移行先のデータベースサービスと互換性のある形式に変換して、移行に伴う負担を軽減できます。今回のアップデートで、IBM Db2 for z/OS から HAQM Relational Database Service (RDS) for Db2 への変換をサポートしました。ストアドプロシージャ、関数、ビューなどのデータベースオブジェクトを自動的に変換できます。特に、環境間の構文の違いや互換性の違いを解決でき、メインフレーム移行に便利に利用できます。
- HAQM Q in QuickSight のシナリオ機能が一般提供開始
- 3/25(火)
- HAQM OpenSearch Service で OR2 と OM2 のインスタンスタイプをサポート
HAQM OpenSearch Service で 2 つの新しいインスタンス、OR2 と OM2 をサポートしました。新世代の OpenSearch 最適化インスタンスは OR1 インスタンスと同じアーキテクチャを使用し、より良い価格性能を提供するものです。OR2 インスタンスは、以前の OR1 インスタンスと比較して最大 26% 高いインデックス作成スループットを提供し、R7g インスタンスと比較して 70% 向上しています。OM2 インスタンスは、内部ベンチマークにおいて OR1 インスタンスと比較して最大 15% 高いインデックス作成スループットを提供し、M7g インスタンスと比較して 66% 向上しています。 - HAQM RDS for SQL Server が Teradata データベースへのリンクサーバをサポート
HAQM RDS for SQL Server が、Teradata データベースへのリンクサーバをサポートするようになりました。リンクサーバは、外部のリモートデータベースサーバーからデータを読み取り、コマンドを実行できるようにする SQL Server の機能です。この発表により、RDS for SQL Server インスタンスを AWS 上または社内で実行されている Teradata データベースにリンクできるようになります。
- HAQM OpenSearch Service で OR2 と OM2 のインスタンスタイプをサポート
- 3/26(水)
- AWS Amplify Hosting が AWS WAF の提供開始
AWS Amplify Hosting が AWS WAF の統合を提供開始しました。マネージドルールを使用して SQL インジェクションやクロスサイトスクリプティング (XSS) などの一般的な web 攻撃や脆弱性から保護することができます。さらに、特定のアプリケーションニーズに基づいてカスタムルールを作成したり、DDoS 攻撃から保護するためのレートベースのルールを実装したり、特定の国からのアクセスを制限するためのジオブロッキングを使用したりすることができます。この統合により、お客様は web アプリケーションのセキュリティを向上し、脅威からの保護をしやすくなります。 - HAQM SageMaker HyperPod クラスターにおける Slurm のマルチヘッドノードをサポート
HAQM SageMaker HyperPod クラスターで、マルチヘッドノードをサポートしました。これにより、大規模の生成 AI モデル開発ワークロードの障害耐性と可用性を向上させます。単一のヘッドノードがジョブスケジューリングとリソース割り当てを管理する場合、ヘッドノードの障害が生成 AI モデル開発の業務に影響を与えてしまいます。これに対応するため、HyperPod Slurm クラスター内に複数のヘッドノードを設定できるようになりました。プライマリヘッドノードに障害が発生した場合、Slurm は自動的にクラスター操作をバックアップノードに移行し、ダウンタイムを最小限に抑え、ワークロードの継続的な可用性を提供します。 - AWS サンプルアプリケーションで HAQM S3 用 Storage Browser を素早くデプロイが可能に
GitHub Repository で公開しているサンプルアプリケーションを利用して、利用者が簡単に S3 に接続してファイルのアップロード、ダウンロード、管理を行うためのアプリケーションを簡単にデプロイできるようになりました。このサンプルアプリケーションには、Storage Browser for HAQM S3 が利用されています。Amplify Hosting または任意のホスティングプロバイダーでホストできます。
- AWS Amplify Hosting が AWS WAF の提供開始
- 3/27(木)
- AWS CloudFormation が IaC ジェネレーターでターゲットリソーススキャンをサポート開始
IaC ジェネレーターはアップデート以前から存在していた機能で、AWS 上のリソースをスキャンし、IaC 対象リソースを選択することで、既存のリソースから CloudFormation テンプレートを生成できるものです。今回のアップデートで、リソーススキャンのステップで IaC ジェネレーターがスキャンする対象のリソースタイプを指定できるようになりました。デフォルトですべてのリソースをスキャンする代わりに、ワークロードに関連するリソースにのみを対象にすることで、スキャン時間の削減と、選択のしやすさが向上するメリットがあります。 - HAQM EKS が、クラスターアップグレードの際にアップグレードインサイトチェックを適用
HAQM EKS で Kubernetes クラスターアップグレードの際に、互換性に影響を与える可能性のある問題が既に検出されている場合、誤ったクラスターアップグレードを防止する新しい仕組みを提供開始しました。この機能は EKS アップグレードインサイトを活用しており、非推奨の Kubernetes API 使用などの、Kubernetes バージョンアップグレードに影響を与える可能性のある問題を自動的にスキャンします。このアップデートにより、問題が発見されている場合、クラスターアップグレードを停止するようになります。また、アップグレード時にチェックを無効化するオーバーライドフラグも導入しました。 - HAQM Bedrock Knowledge Bases がベクトルストレージに HAQM OpenSearch マネージドクラスターをサポート
HAQM Bedrock Knowledge Bases で HAQM OpenSearch マネージドクラスターをベクトルストアとしてサポートしました。これまで、OpenSearch Serverless, Aurora, Neptune, Pinecone などをサポートしていたところに、新たに追加された形です。OpenSearch マネージドクラスターを利用することで、カスタムシノニムやカスタムプラグインを通じた日本語形態素解析器の Sudachi などが利用できるようになり、RAG における精度向上のメリットを得やすくなります。また、OpenSearch マネージドクラスターでは、考慮点は必要ですが、コスト効率の高い 1 台のインスタンス構成をご検討いただけます。OR1/OR2 のインスタンスを利用した場合、EBS にデータを書き込む際に、HAQM S3 にデータが同期的にコピーされます。インスタンスに障害が発生した場合、HAQM S3 から自動的にデータの復旧を行う仕組みがあります。障害発生時にはアクセスができなくなりますが、一時的な停止を許容できるユースケースの場合はご検討いただけます。
- AWS CloudFormation が IaC ジェネレーターでターゲットリソーススキャンをサポート開始
- 3/28(金)
- HAQM EC2 C8g インスタンスが AWS アジアパシフィック (東京) で利用可能
EC2 で、C8g インスタンスが、新たに東京リージョンで利用可能になりました。AWS Graviton4 プロセッサを搭載し、AWS Graviton3 ベースのインスタンスと比較して最大 30% 優れたパフォーマンスを提供します。C8g インスタンスは、高性能コンピューティング (HPC)、バッチ処理、ゲーム、ビデオエンコーディング、科学的モデリング、分散分析、CPU ベースの機械学習 (ML) 推論、広告配信などの計算集約型ワークロード向けに構築されています。 - HAQM EC2 が特定の宛先へのより多くの帯域幅とジャンボフレームをサポート
HAQM EC2 でリージョン間 VPC ピアリングや、Direct Connect を利用する際に、EC2 インスタンス帯域幅を最大限利用できるようになりました。これまで、EC2 インスタンスからリージョン間または AWS Direct Connect に向けて通信する際に、32 以上の vCPU を持つインスタンスでは帯域幅制限の 50%、小規模なインスタンスでは 5 Gbps に制限されていました。このアップデートで、インスタンスのベースライン仕様の全帯域幅または 5Gbps のいずれか大きい方で帯域幅を送信できるようになりました。
- HAQM EC2 C8g インスタンスが AWS アジアパシフィック (東京) で利用可能
それでは、また来週お会いしましょう!