HAQM Web Services ブログ

週刊AWS – 2025/5/5週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの西村です。
今週も 週刊AWS をお届けします。

5月15日 (木) に「GenAIOps – 生成 AI オブザーバビリティを HAQM Bedrock と Langfuse で実現」というイベントが開催されます。このイベントでは、GenAIOps を実現するための重要な要素である生成 AI オブザーバビリティについて、評価 (evaluation) が中心となるという Eval-Centric AI の考え方の解説とともに、Langfuse と HAQM Bedrock を題材にしたハンズオンワークショップを提供します。昨今の生成 AI 切っても切り離せない GenAIOps に取り組まれる方、興味ある方はぜひご参加ください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2025年5月5日週の主要なアップデート

  • 5/5(月)
    • HAQM ECS introduces 1-click rollbacks for service deployments
      HAQM Elastic Container Service(HAQM ECS)が、失敗したデプロイメントを簡単に元の安全な状態に戻せる新機能を発表しました。この機能では、デプロイメントサーキットブレーカーと CloudWatch アラームを使用して、ECSサービスのローリングアップデートに対する自動障害検出と修復を構成できます。これまでは、特定の障害検出メカニズムで検出されないデプロイメント失敗の場合、手動でロールバックトリガーの操作が必要でした。新しい stopDeployment APIを使用することで、ECS が自動的に最後の安定状態にサービスをロールバックします。この機能はすべての AWS リージョンでAWS Management Console、API、SDK、CLIから利用可能です。
    • HAQM SES now supports IPv6 when calling SES outbound endpoints
      HAQM Simple Email Service(SES)が送信エンドポイントへの IPv6 接続をサポートし、AWS SDK や CLI を使用する際に IPv4 または IPv6 を選択できるようになりました。これまでは SES の送信エンドポイントへの接続は IPv4 アドレスのみでしたが、環境変数やコマンドライン引数を使ってデュアルスタック接続の設定が可能になり、IPv6 通信への移行が容易になります。
  • 5/6(火)
    • HAQM EBS announces Provisioned Rate for Volume Initialization
      HAQM Elastic Block Store(HAQM EBS)が、スナップショットからボリュームを作成する際の初期化速度を指定できる「プロビジョンドレート」機能の一般提供を開始しました。この機能により、多数の EC2 インスタンスを同時に起動する場合でも、ボリュームが予測可能な時間内に十分なパフォーマンスを発揮できるようになります。スナップショットからの新規ボリューム作成、AMI からのインスタンス起動、ルートボリューム交換などのシナリオで利用可能で、すべての商用 AWS リージョンで提供されています。なお、プロビジョンドレートを指定する場合は追加料金が発生します。詳細はこちらをご確認ください。
    • HAQM SageMaker adds support for three new data sources
      HAQM SageMaker は、Oracle、HAQM DocumentDB、および Microsoft SQL Server データベースへの直接接続をサポートするようになり、HAQM SageMaker Lakehouse で利用可能なデータ統合機能が拡張されました。この機能強化により、お客様はこれらのデータベースからシームレスにデータにアクセスして、ETL フローを構築することができます。
    • HAQM CloudWatch Network Monitoring adds multi-account support for flow monitors
      HAQM CloudWatch Network Monitoring で、Flow Monitor を使用して、複数のアカウントにまたがる AWS ワークロードのネットワークパフォーマンスを監視できるようになりました。マルチアカウントサポートにより、ネットワーク管理者は監視が必要なリソースを所有するすべてのアカウントで Flow Monitor を有効にすることができます。そうすることで、複数のアカウントにまたがるワークロードのネットワークパスの可視性が得られます。また、複数のアカウントにまたがる Flow のネットワークパフォーマンスメトリクスを統合的に表示することもできます。
  • 5/7(水)
    • HAQM EC2 R7g instances are now available in additional AWS regions
      HAQM Elastic Compute Cloud(HAQM EC2)R7g インスタンスが大阪リージョンを含む、6リージョンで新たに利用可能となりました。R7gインスタンス は AWS Graviton2 プロセッサと比較して最大 25% 優れたコンピューティング性能を提供する AWS Graviton3 プロセッサを搭載しています。同等のEC2インスタンスと比較して、同じ性能で最大 60% 少ないエネルギーを使用し、クラウド利用時の環境負荷をより抑えることができます。
    • HAQM MSK enables seamless certificate renewals on MSK Provisioned clusters
      HAQM Managed Streaming for Apache Kafka(HAQM MSK)は、MSK プロビジョンドクラスターのすべてにおいて、中断のない証明書の更新を提供するようになりました。HAQM MSK で使用される暗号化証明書は 13ヶ月ごとに更新が必要です。この機能のリリースにより、HAQM MSK プロビジョンドクラスターでの証明書更新は、クライアント接続を中断することなくシームレスに行われるようになりました。
  • 5/8(木)
  • 5/9(金)
    • HAQM SageMaker HyperPod now integrates with HAQM EventBridge to deliver status change events
      HAQM SageMaker HyperPodがHAQM EventBridgeと統合され、クラスターのステータス変更についてほぼリアルタイムの通知を受け取ることが可能になりました。SageMaker HyperPodは、EventBridge を通じて2種類の通知を提供します。1つ目は、HyperPod クラスターが InService や Failed などの状態間で遷移する際に通知するクラスターステータス変更イベント、2つ目は、ノードの健全性ステータス(健全/不健全など)が変更された場合や、障害からの回復中に自動的に置き換えられた場合に通知するノード健全性イベントです。これらのイベントが発生した際に自動アクションをトリガーする簡単な EventBridge ルールを作成することもできます。
    • HAQM VPC Reachability Analyzer now supports resource exclusion
      HAQM VPC Reachability Analyzer が、送信元とあて先間の到達性分析時にネットワークリソースを除外する機能をサポートするようになり、到達性分析をより柔軟に実行できるようになりました。例えば、インターネットゲートウェイからElastic Network Interface(ENI)への、ネットワークファイアウォールによる検査を通過しないパスを特定したい場合、リソース除外でNetwork Firewallを指定して到達性分析を実行できます。分析の結果、到達可能なパスが見つかった場合、ネットワーク内に代替パスが存在することがわかり、必要な対策を講じることができます。

暑くなったり、寒くなったりと不安定な気候が続いていますので、体調管理に気をつけてお過ごしください。

それでは、また来週!

著者について

Tadami Nishimura

西村 忠己(Tadami Nishimura) / @tdmnishi

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、小売・消費財業種のお客様を担当しています。データガバナンスの観点から、お客様がデータ活用を効果的に行えるようなデモンストレーションなども多く行っています。好きなサービスは HAQM Aurora と HAQM DataZone です。趣味は筋トレで、自宅に徒歩0分のトレーニングルームを構築して、日々励んでいます。