HAQM Web Services ブログ

【開催報告 & 資料公開】AWS 春の Observability 祭り 2025

こんにちは。ソリューションアーキテクト (以下 SA) の高野です。

 2025 年 4 月 16 日に「AWS 春の Observability 祭り 2025 〜進化する HAQM CloudWatch 基礎から最新機能まで完全解説〜」と題したイベントを開催しました。2 年前から半期に 1 回実施させていただいているイベントで今回で 4 回目になります。ご参加いただきました皆様には、改めて御礼申し上げます。今までの開催報告ブログはこちら (2023秋2024春2024秋)。
 本ブログでは、その内容を簡単にご紹介しつつ、発表資料を公開致します。今回は、AWS におけるモニタリングやオブザバビリティの実現に不可欠な HAQM CloudWatch にフォーカスを当て、メトリクス、ログ、トレースの基本的な機能、実際の現場で役立つノウハウ、最新機能をデモを交えながら紹介させていただきました。AWS 環境の運用に携わる方はもちろん、これから AWS をはじめる方も是非ご確認下さい!

セッションの紹介

HAQM CloudWatch の進化

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 津郷 光明
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 セミナー開始は、SA 津郷より、HAQM CloudWatch の進化ということで、HAQM CloudWatch の歴史や最新動向について解説しました。CloudWatch は 3 つの強みを持つ監視基盤として進化を続けています。第一の強みとして広範なカバー領域を持ち、インフラだけでなくアプリケーションまであらゆるレイヤーの監視に対応し、メトリクス、ログ、トレースといった様々なテレメトリデータを統合的に収集・分析できます。第二の強みは導入の容易さです。AWS サービスとのビルトイン統合により即座に利用を開始でき、HAQM CloudWatch Application Signals による自動収集・可視化に加え、生成 AI を活用した自然言語でのクエリ分析もサポートしています。第三の強みは柔軟な拡張性で、OpenTelemetry への対応や HAQM OpenSearch との Zero-ETL 統合など、最新テクノロジーとの連携強化に加えています。監視ツールの選定や構築をご検討の方は、ぜひご確認ください!

HAQM CloudWatch 大好きなSAが語る CloudWatch キホンのキ

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 津和崎 美希
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 次に、CloudWatch が大好きな SA 津和崎より、CloudWatch の基本的な機能と使い方についてご紹介しました。オブザーバビリティの3つの重要なテレメトリデータ (メトリクス、ログ、トレース) をAWSサービスでどのように取得・活用できるのかを解説しています。メトリクスは、CloudWatch で AWS が提供する基本的なメトリクスは無料で利用できますし、自分で取得したいデータをカスタムメトリクスとして定義して取得することも可能です。ログは、CloudWatch でアプリケーションやシステムのログを収集・分析でき、最新の生成AI を活用した自然言語でのクエリ分析も可能です。トレースは AWS X-Ray を利用し、アプリケーション全体の動作を可視化し、問題箇所の特定を容易にできます。また、収集したデータを基にアラートを設定し、SNS 通知や自動アクションにつなげることができます。CloudWatch エージェントを使えば、クラウドでもオンプレミスでも統合的な監視を実現できます。システムの監視基盤の構築をご検討の方は、まずは CloudWatch や X-Ray から試してみることをお勧めします。

HAQM CloudWatch で始めるエンドユーザー体験のモニタリング

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 テクニカルアカウントマネージャ 日平 大樹
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 テクニカルアカウントマネージャの日平より、CloudWatch を活用したエンドユーザー体験のモニタリング手法について解説しました。近年、Web サイトの表示速度はユーザの購買意欲に大きく影響するため、エンドユーザー体験の監視が重要になっています。CloudWatch には、実ユーザーの行動を監視する HAQM CloudWatch RUM (Real User Monitoring) と、定期的に外部からエンドポイントの正常性をテストする HAQM CloudWatch Synthetics の 2 つの機能があります。これらを組み合わせることで、JavaScript エラーや API 応答の遅延など、ユーザー体験に影響する問題を素早く検知できます。実際のトラブルシューティング事例を交えながら、RUM と Synthetics の使い方や、X-Ray との統合による詳細な原因分析の手法を具体的に解説しています。Web アプリケーションの品質向上にご関心のある方は、ぜひご確認ください。

サーバレス、コンテナ、データベース特化型機能をご紹介。HAQM CloudWatch をもっと使いこなそう!

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 堀 貴裕
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 SA 堀より、CloudWatch の特化型監視機能について、実践的な活用方法を解説しました。今回は特に、サーバーレス (HAQM CloudWatch Lambda Insights) 、コンテナ (HAQM CloudWatch Container Insights)、データベース (HAQM CloudWatch Database Insights) という 3 つの重要な領域に焦点を当てています。これらの機能を活用することで、従来は実装が困難だったような詳細なメトリクスの収集や可視化が容易になります。例えば、AWS Lambda のコールドスタート分析、コンテナワークロードのボトルネック特定、SQL クエリの最適化など、運用上の重要な課題に対応できます。コスト最適化を始めとする具体的なユースケースを交えながら、各機能の実践的な活用方法を詳しく解説していますので、システム運用の効率化をお考えの方は、ぜひご確認ください。

HAQM CloudWatch の地味だけど強力な機能紹介!

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 伊藤 威
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 SA 伊藤より、地味だけれども、実務で非常に役立つ CloudWatch の 3 つの機能について詳しく解説しました。1 つ目は、ログ分析のコストとパフォーマンスを大幅に改善できるフィールドインデックス機能です。2 つ目は、複数アカウントのログをリアルタイムで監視できる Live Tail とクロスアカウントオブザーバビリティの組み合わせ。3 つ目は、システムの関連性を自動的に可視化できる Explore Related 機能です。これらの機能を活用することで、大規模システムの運用効率を大きく向上させることができます。実際の使用例を交えた内容となっていますので、CloudWatch をより深く使いこなしたい方は、ぜひご確認ください。

HAQM CloudWatch Application Signals ではじめるバーンレートアラート

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 シニアデベロッパーアドボケイト 山口 能迪
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 シニアデベロッパーアドボケイトの山口より、HAQM CloudWatch Application Signals を活用したバーンレートアラームの実装方法について解説しました。サービスの信頼性を測る上で重要な SLI (サービスレベル指標) と SLO (サービスレベル目標) の設定から、エラーバジェットの消費速度を監視するバーンレートアラームまで、実践的な内容を紹介しています。特に注目すべきは、これまで実装が煩雑だったバーンレートアラームが、Application Signals を使用することで簡単に設定できるようになった点です。システムの信頼性管理に課題を感じている方、より効果的なアラート設定を模索している方は、ぜひご確認ください。

HAQM CloudWatch を使ってNW監視を行うには

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 宮崎 友貴
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 最後は SA 宮崎より、CloudWatch を活用したネットワーク監視の実践的な方法について解説しました。AWS が提供する3つの CloudWatch のネットワークモニタリングサービスの使い分けを解説しています。Network Flow Monitor は AWS 内のワークロード間の通信、Network Synthetic Monitor はオンプレミスとの接続、Internet Monitor はエンドユーザーとのインターネットパフォーマンスをそれぞれ監視できます。これらのサービスを組み合わせることで、ネットワークの健全性やパフォーマンスを包括的に把握し、問題の迅速な検出と解決が可能になります。各サービスの具体的な設定方法やユースケース、料金体系まで詳しく解説していますので、ネットワーク監視の改善をお考えの方は、ぜひご確認ください。

まとめ

 今回は、HAQM CloudWatch をテーマに、様々なセッションを用意させていただきました。HAQM CloudWatch は今なお進化が続いているサービスです。本イベントをきっかけに、CloudWatch を利用いただくことで、皆様のシステム運用が少しでも楽になり、幸せになることを願っております。今後も、お客様のシステム運用を少しでも効率化できるように、このようなイベントを企画し、情報発信を継続していきます。AWS のサービスを利用することをご検討いただいているお客様がいらっしゃいましたら、無料で個別相談会を開催しておりますので、こちらのリンクからぜひお申し込みください。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 高野 翔史