HAQM Web Services ブログ
AWS User Notifications を活用した AWS Health 通知の管理
本記事は 2025 年 3 月 16 日に公開された “Manage and view your AWS Health notifications in AWS User Notifications service” を翻訳したものです。HAQM Web Services (AWS) は、AWS User Notifications のデフォルト通知を一元的に管理および表示する AWS マネージド通知 を提供するようになりました。現在、AWS Health イベントのみがマネージド通知として利用可能です。この新機能により、運用やアカウントの正常性に関する重要な更新情報を常に把握できるようになります。AWS User Notifications チャネルには、通知センター、メール、Slack や Microsoft Teams のチャットチャネル (HAQM Q Developer in chat applications: 旧 AWS Chatbot)、AWS コンソールモバイルアプリへのプッシュ通知が含まれます。
主な機能を見ていきましょう :
統合された通知センター : AWS User Notifications は、マネージド通知とユーザーが設定した通知の両方を AWS コンソール内の通知センターに集約します。以前は、AWS Health Dashboard とメール通知を別々に監視する必要がありました。今では、この統合されたコンソール体験で、すべての AWS アカウント、サービス、リージョンにわたる通知を表示および管理できます。この統合により、AWS リソースに影響を与える重要なイベント、更新、アラートについて、さまざまなチャネルを切り替える必要なく、簡単に通知を受けられるようになりました。AWS コンソールの上部ナビゲーションのベルアイコンからアクセスできる通知センターは、 通知設定を行い、AWS 環境の最新状況を常に把握するといった一元的な管理が可能になります。

画像 1: ナビゲーションベルメニュー

画像 2: コンソール通知センター
カスタマイズ可能な配信設定 : AWS マネージド通知は、デフォルトでは設定済みのプライマリ連絡先と代替連絡先 (請求、セキュリティ、オペレーションの各メールアドレス) に送信されます。
マネージド通知では配信チャネルを設定することで、これらの通知の受信先と受信方法をカスタマイズできます。
AWS マネージド通知サブスクリプションでは、セキュリティや オペレーションなどの異なる通知カテゴリについて、デフォルトのアカウント連絡先をサブスクライブまたはサブスクライブ解除できます。
また、メール、プッシュ通知用のモバイルデバイス、Slack や Microsoft Teams などのチャットチャネルを追加することもできます。
この柔軟性により、組織のニーズと通信チャネルの設定に合わせた通知フローを設定できます。

画像 3: AWSマネージド通知サブスクリプション – メインページ

画像 4: AWSマネージド通知サブスクリプション – 請求カテゴリー
通知ノイズの低減 : もう 1 つの大きな利点は、関連する通知イベントがまとめられ、受信するメッセージの全体量が減ることです。たとえば、複数のアカウントに影響する Health Planned Lifecycle Event (RDS 証明書の更新など) は、影響を受ける各アカウントとそのリソースに対して個別の通知が送信されるのではなく、1 つの集約された通知として送信されます。

画像 5: 集約通知の詳細 – 下部に関連イベントの概要と関連通知が表示
AWS マネージド通知の概要
AWS マネージド通知は、重要な AWS Health 通知の受信と管理方法を一元化して運用効率を高めることができます。
このガイドでは、通知体験を最適化するためのサービスの有効化と設定方法について説明します。
AWS マネージド通知の有効化
マネージド通知を有効にすると、AWS 環境に関する重要な更新情報を一元的に確認できるようになり、サービスの更新や Health イベントをトラッキングして対応しやすくなります。
AWS マネージド通知の有効化 :
- AWS マネジメントコンソールにサインインし、コンソール通知センターを開きます。
- AWS マネージド通知サブスクリプションに移動します。
- [AWS Health 通知を有効にする] を選択します。
有効にすると、新しい AWS Health 通知が通知センターに表示されるようになります。
主要な設定ステップとその利点
AWS Organizations の信頼できるアクセスの有効化
AWS Organizations を使用していない場合は、「通知サブスクリプションの管理」に進んでください。
なぜこれが重要か : 信頼できるアクセスを有効にすると、User Notifications は管理アカウントでイベントを集約し、重複するメール通知を減らすことができます。この機能がない場合、管理アカウントは組織内のアカウントを監視できず、組織内の各アカウントから個別のメール通知を受け取ることになります (メールアドレスが同じ場合でも)。信頼できるアクセスを有効化すると次のようなことが可能です :
- すべてのメンバーアカウントからのイベントは、組織 ID ごとに管理アカウントに集約されます
- 管理アカウントとメンバーアカウントで同じメールアドレスが使用されている場合、重複するメール通知が排除されます (この機能を利用するには、管理アカウントとメンバーアカウントの両方でマネージド通知を有効にする必要があります)
信頼できるアクセスの有効化 :
- AWS Organizations の管理アカウントにサインインし、コンソール通知センターを開きます。
- [組織設定] に移動します。
- [信頼されたアクセスを有効にする] を選択します。
通知サブスクリプションの管理
ベストプラクティス : 異なる連絡先の種類に対して個別のメールアドレスを使用すると、オーナーが明確になり、通知の重複を防ぐことができます。これにより、チームは関連する通知のみを受け取ることができ、重要な通知を見落とすリスクが低減されます。
サブスクリプションの設定 :
- AWS マネージド通知サブスクリプションページを開きます。
- [サブスクリプションを管理]を選択します。
- 各カテゴリのデフォルトサブスクリプションを確認します。
- (オプション) 各連絡先タイプ別に別々のメールアドレスを設定します。
- オペレーション
- セキュリティ
- 請求
- (オプション) アカウント連絡先のサブスクライブ/サブスクライブ解除を行います。
AWS Health 通知のメールルールの更新
重要な注意点 : 送信者 ID やコンテンツ解析に基づいてメールルールを設定している場合は、通知ワークフローを維持するためにそれらを更新する必要があります。Health メールは health@aws.com から送信され、新しい形式には拡張されたメタデータと管理機能 (サブスクライブ解除リンクなど) が含まれます。マネージド通知を有効にすると何が変わりますか? の詳細をご確認ください。
メールルールの更新 :
- AWS Health 通知が有効になっていることを確認してください。
- 既存のメールルールを更新して、health@aws.com からのメッセージを認識できるようにしてください。
- メールのルーティングルールを変更して、新しいメール形式に対応してください。新しいメール形式には以下が含まれます。
- 追加の通知メタデータ
- サブスクライブ解除リンク
カスタム通知設定の作成
戦略的価値 : カスタム通知設定は、サービスの重要度やチームの責任に基づいて通知戦略を細かく調整することで、マネージド通知を補完します。たとえば、特定のサービスやイベントタイプのカテゴリに基づいて通知をフィルタリングできます。つまり、優先度の高いアラートが優先チャネルを通じて適切なチームに確実に到達するよう設定しつつ、関連性の低い通知をフィルタリングすることができます。
通知設定の作成 :
- 通知設定ページに移動します。
- [通知設定を作成]を選択します。
- 通知を受け取りたいサービスを選択します。
- フィルタリングする特定のイベントタイプを選択します。
- 希望の通知チャネルを設定します。
AWS Health Aware (AHA) からの移行
AHA を使用していない場合は、「結論」に進んでください。
移行する理由 : User Notifications は AWS が管理するサービスのため、AHA に比べて以下のような利点があります :
- AWS サービスとの統合の改善
- 新たな配信チャネル : 通知センターと AWS コンソールモバイルアプリ
- フィルタリング機能の強化
- 管理インターフェースの簡素化
- 組織全体とアカウント単位の通知を設定できる柔軟性
AHA は引き続き GitHub の aws-samples で利用可能ですが、User Notifications に移行することで、これらの新機能と改善点を活用できます。
結論
このブログ記事では、User Notifications サービスの新機能であるマネージド通知について紹介しました。
マネージド通知は、重要な Health 通知を一元的に管理・表示できる機能です。
コンソール内の統合された通知センター、カスタマイズ可能な配信設定、関連イベントを集約によるノイズ低減、Organizations との統合について説明しました。
また、この機能の有効化、サブスクリプションの管理、Organizations の信頼されたアクセスの有効化、メールルールの更新、カスタム通知設定の作成、AHA からの移行手順についても解説しました。
この機能強化により、AWS 環境に影響を与える変更を効果的に監視する機能が改善したことを嬉しく思います。AWS マネージド通知をお試しいただき、フィードバックをお寄せください。詳細については、User Notifications の製品ページをご覧ください。
翻訳は Technical Account Manager の三田が担当しました。