HAQM Web Services ブログ
週刊生成AI with AWS – 2025/3/24週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの野間です。
おしごとの都合で移動中にこのブログを書いているのですが、照明が消されていて両隣は寝ているというなんともやりづらい状況です(笑)それでも最新の情報を皆様にお伝えすべく週刊スタッフは頑張っております!さて、最近事例紹介が多くなってきた印象です。生成 AIについて調査・検証の段階を終え、ビジネスへの実装が進んでいるからでしょう。
今週も、生成AIの最新情報をお届けしていきますので、最後までお付き合いください。それでは、今週のトピックを見ていきましょう!
さまざまなニュース
- AWS生成AI国内事例ブログ:「岩崎電気株式会社様の AWS 生成 AI 事例「カメラ付き照明で冠水検知を実現。照明の専門メーカーとして80年以上の歴史を持つ製造業のモノとコト融合」
このブログでは、80年以上の歴史を持つ照明専門メーカーの岩崎電気株式会社が、AWSの生成AI技術を活用して路面冠水監視システムを開発した事例を紹介しています。同社は HAQM Bedrock を使って、監視カメラの映像から冠水状況を自動検知し、リアルタイムで危険を通知するシステムを構築しました。従来は専用センサーが必要だった冠水検知を、カメラ付き照明と生成 AI の組み合わせで実現。監視員の労力を80%削減し、24時間リアルタイム監視を可能にしています。企画から約2ヶ月という短期間でプロトタイプを完成させ、 GenU を用いた効率的な検証とコスト効率を考慮した AI モデルの使い分けが成功要因となりました。照明設備のインフラを活用した防災システムという新たな価値創出に、生成AIが貢献している興味深い事例です。 - AWS生成AI国内事例ブログ:「大規模マルチモーダル AI による鉄道車両の異常画像検知システムの実証実験」
このブログは、JR東日本、ドイツ鉄道、JEISが、AWSのマルチモーダルAI技術を活用して車両外観検査の画像にAIを活用する取り組みについて紹介しています。カメラの映像と音声センサーから得られるデータを組み合わせることで、目では見えない異常な振動や音の変化も捉え、鉄道設備の故障を早期に発見できるようになりました。HAQM Lookout for Vision、HAQM SageMaker、HAQM Bedrockなどの技術を組み合わせたシステムにより、保守作業の効率化と安全性の向上が実現します。AIによる予防保全で、私たちの日常を支える鉄道インフラの安全性がさらに高まることが期待されています。 - ブログ記事「製造業の設計開発領域での AI 活用 – 「身体性」の原理から考える」(前編)(後編はこちら)
このブログでは、製造業での生成AI活用について「身体性」という考え方に着目して考察しています。これは、頭で考えるだけでなく、実際に手を動かして物を作る時に生まれる知恵や発見を大切にする考え方です。特に機械設計では、この身体性知能が大きな威力を発揮します。部品同士の干渉チェック、振動や熱による変形予測、組立性の検証など、図面上では見えない問題を事前に発見できます。熟練の設計者が持つ「手触り感覚」や「重さのバランス」といった暗黙知をAIが学習し、設計の初期段階から反映できるようになれば、試作回数の削減や開発期間の短縮につながります。AIと人間の新しい協働の形が見えてくる示唆に富んだ内容となっています。 - ブログ記事「HAQM Q Developer の新しいコンテキスト機能で、コードのコントロールを強化しよう」
HAQM Q Developer に便利な機能が追加されました。コードを書く時にコンテキストを理解し、例えば、あなたが書いているコードの全体像を把握したり、関連するファイルを自動的に参照したりして、より的確なアドバイスや提案をしてくれるようになりました。これにより、開発者はコードの説明に時間を取られることなく、より創造的な作業に集中できます。プログラミング初心者から熟練者まで、開発作業がぐっと効率的になる新機能です。詳細はブログをチェックしてください。
サービスアップデート
- HAQM Bedrock Guardrails、業界をリードする画像コンテンツフィルターの一般提供開始を発表
HAQM Bedrock のガードレール機能を強化し、画像コンテンツフィルター機能の一般提供を開始しました。この新機能により、企業は生成AIアプリケーションで使用される画像の内容を自動的に検査し、不適切なコンテンツをブロックできるようになります。 - HAQM Bedrock Knowledge Bases がベクトルストレージとしてHAQM OpenSearch Managed Cluster をサポート
HAQM Bedrock Knowledge Basesに、ベクトルストアとしてHAQM OpenSearch Managed Clusterが利用できるようになりました。HAQM Bedrock Knowledge BaseとOpenSearchサービスが利用可能なすべてのリージョンで一般提供されています。 - HAQM Q Business がアジアパシフィック(シドニー)リージョンで利用可能に
HAQM Q Business は、企業向けの生成AIアシスタントです。組織内の情報やデータを活用して、質問に答える、要約を作成する、コンテンツを生成する、タスクを完了するなどの機能があります。 今回、アジアパシフィック(シドニー)リージョンで新たに利用可能になりました。 - HAQM Bedrock カスタムモデルインポートで、リアルタイムのコストの可視化を実現
Bedrock コンソールや API を通じて、モデル実行に必要な最小限のコンピュートリソース(Custom Model Units:CMU)を事前に確認できます。また、CloudWatch メトリクスを通じて使用された CMU の総数がリアルタイムで表示され、推論コストの可視化が可能です。これにより、お客様はコストをリアルタイムで把握し、必要に応じてモデル設定を動的に変更することで、コストの最適化が可能になります。 - HAQM Q in QuickSight でシナリオ機能が一般提供開始
HAQM Q in QuickSight に、データ分析を革新的に進化させる新機能が追加されました。自然言語での対話を通じて、隠れたトレンドの発見やビジネスへの推奨事項の提示、より深い分析へのステップを提案します。特別なスキルがなくても過去のトレンドの探索や将来のシナリオの予測、ソリューションのモデリングが可能になります。 - HAQM Q Business の Slack および Teams 連携機能をアップグレード
1つの Slack ワークスペースまたは Teams 組織内で最大10個の HAQM Q Business 統合 を作成できるようになり、テスト環境や本番環境、異なるユーザーグループごとに個別の統合が可能になりました。また、フリーテキストでのフィードバック機能が追加され、ユーザーの満足度確認やフィードバックの収集が可能になりました。
今週は以上でした。それでは、また来週もお楽しみに!