HAQM Web Services ブログ
週刊生成AI with AWS – 2025/4/7週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの三厨です。
日本のお客様から数多くご要望をいただいておりました HAQM Q Developer の日本語対応ですが、この度日本語を含む多言語サポートの拡大という形で IDE および CLI 機能にて対応いたしました。詳細についてはぜひこの投稿の中で紹介いたします日本語ブログをご参照ください。また、これを機に HAQM Q Developer の機能をハンズオンの「Q-Words」で網羅的に学ぶこともおすすめです(日本語対応済)。
それでは、4 月 7 日週の生成 AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう。
さまざまなニュース
- お客様事例ブログ「OfferUp が HAQM Bedrock と HAQM OpenSearch Service のマルチモーダル検索を導入し、地域に密着した検索結果が 54% 増加、検索の関連性が 27% 向上」を公開
オンラインマーケットプレイスを提供する OfferUp が HAQM Bedrock のTitan Multimodal Embeddings と HAQM OpenSearch Service を活用したマルチモーダル検索を導入し、地域に密着した検索結果が 54 %向上、検索の関連性が 27 %向上しました。テキストと画像の両方を使った検索により、ユーザーエンゲージメントが 2.2 %増加、出品者とのやり取り(EWSR)が 3.8 %改善し、検索閲覧深度も 6.5 %増加しました。従来のキーワード検索では難しかった「コンテキスト理解」「同義語認識」「複雑なクエリ管理」などの課題を解決し、広告インプレッションも 0.91 %増加させる成果を上げています。 - ブログ記事「あなたの言語で開発を支援:HAQM Q Developer の言語サポートが拡大 (日本語を含む)」を公開
HAQM Q Developer が統合開発環境(IDE)および HAQM Q Developer CLI での多言語サポートを開始しました。対応言語には中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、スペイン語、韓国語、ヒンディー語、ポルトガル語などが含まれます。使い方は簡単で、お好みの言語で HAQM Q Developer との会話を始めるだけです。HAQM Q Developer はその言語を自動的に検出し、回答、コード提案、応答を適切な言語で提供します。このアップデートは、HAQM Q Developer が利用可能なすべての AWS リージョンで提供されます。 - HAQM Nova Sonic を発表 – リアルタイム音声会話を実現する基盤モデル
HAQM が音声対応アプリケーションを革新する音声・発話基盤モデルの HAQM Nova Sonic を発表しました。HAQM Nova Sonic は先進の AI 音声モデルで、テキストを介さずに直接音声入力を音声出力に変換します。このモデルはリアルタイムでの自然な会話体験を提供し、従来の音声テクノロジーにつきものだった遅延や不自然さを解消します。HAQM Nova Sonic は現在、HAQM Bedrock でご利用いただけます。同時に発表された双方向ストリーミング API と組み合わせることで、人間と AI の間でほぼ瞬時のやりとりが可能になります。現在、米国東部(バージニア北部)リージョンで利用可能です。
サービスアップデート– 生成AIを組み込んだ構築済みアプリケーション
- PartyRock に HAQM Nova Canvas による画像プレイグラウンドを追加
PartyRock が、HAQM Nova Canvas を活用した画像専用のプレイグラウンド機能を追加しました。「Images」セクションから直接アクセスできるこの機能は、画像の向き(横向き、縦向き、正方形)、解像度、色の指定など画像に特化した幅広いカスタマイズオプションを簡単に指定できる UI を提供し、事前入力されたプロンプトですぐに開始できます。生成された画像をさらに改良するための提案プロンプトも表示され、無料日次利用枠で気軽に試すことができます。
サービスアップデート – アプリケーション開発のためのツール
- HAQM Bedrockでプロンプトキャッシングが一般提供開始
re:Invent 2024 でプレビュー発表したプロンプトキャッシング機能が一般提供開始されました。複数の API 呼び出しで頻繁に使用されるプロンプトをキャッシュすることで、コストを最大 90 %、レイテンシーを最大 85 %削減できます。システムプロンプトや例示など、頻繁に使用される長いコンテキストの再処理を省くことで処理速度向上とコスト削減を両立させます。現在、Anthropic の Claude 3.5 Haiku と Claude 3.7 Sonnet、Nova Micro、Nova Lite、Nova Proモデルで利用可能です。 - HAQM Nova Canvasがファインチューニングに対応
HAQM Nova Canvas が独自データセットでのファインチューニングをサポート開始し、ブランド特性に合わせたモデルのカスタマイズが可能になりました。独自データでトレーニングすることで、特定の要件やスタイルガイドラインに合った完全にカスタマイズされた画像生成が実現し、テスト後はプロビジョンドスループットで一貫したパフォーマンスを発揮します。テキストから画像への変換モデルは建築、ファッション、製造、小売、ゲーム、広告など様々な業界でクリエイティブワークフローを効率化できます。現在、米国東部(バージニア北部)リージョンで利用可能です。 - HAQM BedrockにMistral AIのPixtral Large 25.02を追加
AWS が Mistral AI の「Pixtral Large 25.02」を HAQM Bedrock で提供開始しました。1240億パラメータを持つこのマルチモーダルモデルは、文書分析、チャート解釈、自然画像理解タスクで優れたパフォーマンスを発揮します。128Kのコンテキストウィンドウを備え、MathVista、DocVQA、VQAv2 などの主要ベンチマークで最高クラスの結果を達成しています。数十の言語と 80 以上のプログラミング言語をサポートし、高度な数学的推論、関数呼び出し、RAG アプリケーションにも対応しています。現在、米国およびヨーロッパの 7 つのAWSリージョンで利用可能です。 - HAQM Nova Reel 1.1を発表
HAQM Nova Reel 1.1 が発表され、最大 2 分間のマルチショット動画生成とショット間のスタイル一貫性を実現しました。自動モードと手動モードの 2 つのオプションを提供し、自動モードでは単一のプロンプトと合計動画時間の指定だけで複数の 6 秒動画を生成、手動モードでは各 6 秒ショットのテキストプロンプトと画像を個別制御できます。6 秒シングルショット動画生成の品質とレイテンシーもバージョン 1.0 から改善されています。現在、米国東部(バージニア北部)リージョンで利用可能です。 - HAQM Bedrock Guardrailsに生成AIアプリケーションを安全に構築するための新機能が追加
HAQM Bedrock Guardrails に生成 AI アプリケーションを安全に構築するための新機能が追加されました。新たに実装された「検出モード」では、設定したポリシーの効果を展開前に評価でき、迅速な反復によるガードレールの微調整が可能になります。また、入力プロンプト、モデル応答、またはその両方にポリシーを選択的に適用する柔軟性も追加され、これまでの両方に自動適用するデフォルト設定から大幅に改善されました。さらに、センシティブ情報フィルターは、リクエストを完全にブロックする「Block」モードと情報を編集して識別子タグに置き換える「Mask」モードの両方を入力と出力の双方で使用できるようになりました。
サービスアップデート – その他
- HAQM Bedrock Knowledge Bases が Aurora PostgreSQL および MongoDB Atlas vector stores のハイブリッド検索に対応
HAQM Bedrock Knowledge Bases が、Aurora PostgreSQL と MongoDB Atlas vector stores に対するハイブリッド検索機能のサポートを追加しました。セマンティック検索とフルテキスト検索を組み合わせたハイブリッド検索は、検索結果の関連性を向上させ、概念的に一致するドキュメントとキーワードに一致するドキュメントの両方を返します。この機能はKnowledge Base APIまたはBedrockコンソールから簡単に有効化できます。現在、Aurora PostgreSQL ではヨーロッパ(チューリッヒ)と GovCloud(US)リージョンを除くすべての地域で、MongoDB Atlas では米国西部(オレゴン)と米国東部(バージニア北部)で利用可能です。 - Aurora PostgreSQLがpgvector 0.8.0をサポート
HAQM Aurora PostgreSQL がベクトル埋め込み用のオープンソース拡張機能 pgvector 0.8.0 のサポートを開始しました。この拡張機能は生成 AI のセマンティック検索や RAG アプリケーションに活用でき、PostgreSQL クエリプランナーがフィルター使用時のインデックス選択を改善し、クエリパフォーマンスと検索結果の品質を向上させます。WHEREの条件や結合を使用したデータフィルタリングが改善され、過剰フィルタリングを防止する反復インデックススキャンも提供されています。現在、pgvector 0.8.0 は中国を除くすべてのAWSリージョン(AWS GovCloud含む)で PostgreSQL 16.8、15.12、14.17、13.20 以上を実行している Aurora クラスターで利用可能です。
今週は以上でした。それでは、また来週もお楽しみに!