AWS Startup ブログ
大学の 4 年間で、即戦力レベルのデジタル人材に。AWS も支援する“人が育つ”コミュニティ「POSSE」
大学時代に、何に熱中するか。その選択は、将来のキャリアや生き方を大きく左右します。自分の可能性を広げるような学びや、さまざまな仲間との出会いを経験できれば、それは一生の財産になるはずです。
学生生活を充実させたい方におすすめなのが、大学生向けのプログラミング学習コミュニティ「POSSE」。4 年間のカリキュラムの中で、IT スキルだけでなく、チーム開発や他の人たちとの協働といった「社会で役立つ力」を育てる仕組みが整っています。
この取り組みに共感し、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(以下、AWS)も活動を支援しています。「POSSE」が大学生に与えるポジティブな影響について、AWS の社員たちが運営者や卒業生の方々に話を聞きました。
【インタビュー参加者】
信田 健児(株式会社アンチパターン 取締役 「POSSE」主管役員)
岩村 潤(株式会社アンチパターン 「POSSE」担当社員)
穴田 竜大(株式会社アンチパターン 「POSSE」卒業生)
三木 晴加(シスコシステムズ合同会社 「POSSE」卒業生)
林 千翼子(慶應義塾大学 「POSSE」卒業生 初代「POSSE」代表)
相澤 恵奏(AWS)
大八木 俊(AWS)
学生同士が教え合うことで生まれる、学びの好循環
相澤:「POSSE」を運営されているアンチパターン社の方々より、活動の概要についてお聞かせいただけますか。
信田:アンチパターンは「日本のソフトウェアエンジニアを憧れの職業へ」というミッションを掲げるスタートアップ企業です。その実現に向けた事業の一環として「POSSE」があります。「POSSE」は大学生向けのプログラミング学習コミュニティで、4 年間のカリキュラムを通じて、しっかりと学べる仕組みを整えています。

信田さん(写真左)、穴田さん(写真右)
このカリキュラムの特徴は、プログラミング技術の習得だけではなく、人格形成にも重きを置いている点です。私たちは「社会に価値を届けるためには、それを実現するための専門的なスキルと、自分の専門性を超えて仲間たちと共創し、顧客と向き合う力が必要」と考えています。そのため、さまざまな立場や職種の人々と、リスペクトを持って協働できる人材を育てることを目指しています。
大八木:私たち AWS も、アンチパターン社の取り組みに強く共感しています。そのため、これまでコミュニティの大型イベントへの協力や教材の提供などの形で「POSSE」を支援してきました。プログラミングは継続のハードルが高い分野ですが、コミュニティの中で互いに助け合える環境があることで、挫折を防ぎやすくなります。
相澤:「POSSE」を通じて、学生がテクノロジーに触れ、他の人たちと一緒に働く力を身に付けて社会人になることで、日本の将来がより良くなると考えています。
「POSSE」の経験は、社会人として働くうえで必ず役立つ
大八木:これまでの話を踏まえて、より具体的なコミュニティの雰囲気についても知りたいです。「POSSE」にはどのような文化がありますか。
岩村:「POSSE」では「教えることは教わること」という文化が根付いており、学生同士での教え合いが活発です。学生たち同士が、自然と声をかける習慣が浸透していますね。
林:それに、先輩は後輩と同じカリキュラムを経験しているので、「ここはつまずきやすい」というポイントを理解しているんです。学生同士で知見を共有することで、学びの好循環が生まれています。
三木:「POSSE」に参加する学生たちは、それまであまり他人に頼らず、自分自身の力で学んできた人が多いです。だからこそ、「困ったときは誰かに頼っていいんだよ」と伝え、助け合いの文化を根付かせることにも力を入れています。

相澤(写真左)、岩村さん(写真中央)、林さん(写真右)
相澤:「POSSE」卒業生の方々より、コミュニティでの経験がキャリアにどうプラスになったかを聞かせてください。
穴田:私は大学卒業後にアンチパターンに就職して、ソリューション・アーキテクト(特定サービスの顧客に向けて、技術的な情報の提供やアーキテクチャの検討といった支援を行う仕事)をしていますが、「POSSE」で学んだ内容をそのまま活かせています。
それに、「POSSE」はチームで学び合うカリキュラムなので、「どんな発言をすると誰がどう思うのか」を考える力が身に付いたのも大きかったです。ステークホルダーが多い環境の中で、円滑にコミュニケーションを取るスキルが養われました。
三木:私はシスコシステムズでコンサルティングエンジニアとして働いていますが、「POSSE」で学んだ「立場の異なる人たちの考えや意見を理解する力」は、異なるチームや職種のメンバーの橋渡しをする際に役立っています。
「POSSE」では、個性の異なる人たちが同じチームで密な時間を過ごして開発をするため、時には意見がぶつかる場面もあります。そうしたときに、「この人はなぜこう言っているのだろうか」と、その背景を考えるようになりました。
林:私は 4 月から社会人になる予定なので、今の時点ではまだ社会人経験がありません。今回は、コミュニティ運営に携わった立場からお話ししますね。「POSSE」では、単にプログラミングを学ぶだけでなく、ものづくりの一連のプロセスを体験してもらうことを大切にしています。また、活動のあとには必ず振り返りの時間を設けるようにしています。
そうした取り組みを通じて、自然と「やりがいを感じること」や、自分の強み・弱みに気づけるようになるんです。その結果として、「POSSE」の卒業生は、自分に本当に合ったキャリアを選んでいる印象があります。
三木:私は「POSSE」卒業生の就職活動を支援していますが、確かに「自分が何をしたいのか」をしっかり考えている人が多い印象を受けます。「親に言われたから」とか「知名度があるから」といった理由で会社を選ぶのではなく、自分の適性や人生の目標を踏まえて進路を決めていますね。
学生時代の熱中が、自分自身の“未来”を創る
相澤:一昔前までは、学生が志望する就職先といえば有名な大手企業が中心で、仕事に必要なスキルは入社後に身につけるのが一般的でした。しかし最近は、学生時代から何らかのスキルを身に付けて、仲間たちと起業したり、スタートアップ企業に入って 1 年目から活躍したりといったケースも増えています。「POSSE」で学んでおけば、そういったキャリアも選びやすくなり、人生の可能性を広げることに役立ちます。
信田:「POSSE」を 4 年間受講する学生は、標準カリキュラムで約 1,900 時間、インターン経験も合わせると約 3,000 〜 4,000 時間の量を学んでいます。これは、社会人が 1 〜 2 年ほど企業で経験を積んだ程度のスキルに相当します。つまり、新卒入社した時点で、すでに先輩たちと肩を並べるくらいのスキルを持った状態で活躍できるわけです。
即戦力を求める傾向が強いスタートアップ企業では、新卒を一から育てる余裕がないケースも少なくありません。だからこそ、学生時代にすでに基礎知識を身につけている人材であれば、新卒であっても「ぜひ採用したい」と思われるはずです。

三木さん(写真左)、大八木(写真右)
大八木:最後に、記事を読む大学生やその保護者の方に向けてメッセージをお願いします。
信田:「大学時代の4年間に何をするか」によって、成長に大きな差が生まれます。その大切な時間を、仲間とともに熱中できることに費やせば、今後の人生において必ず価値のある経験になるはずです。「POSSE」が、そのような学びの場になれれば嬉しいですね。
岩村:「POSSE」は、ただ楽しいだけの場ではありません。異なる強みや価値観を持つ仲間たちと向き合い、時にはぶつかりながらも、真剣に考え抜く経験ができます。その過程を経た学生は、卒業後もきっと社会で活躍できるはずです。